等伯の桜と春の濃淡 まるごと美術館2022春 KG+ 合同企画 妙蓮寺特別拝観

THEME

春にはグラデーションがある。
等伯の描く桜と境内の4種類の桜の異なる開花時期から
春の小さなうつろいを体感してください

妙蓮寺の境内にある4種類の桜。冬に咲く御会式桜、早春に咲く、枝垂れ桜にソメイヨシノ、4月中旬から下旬にかけて咲く八重桜。
ひとえに春、桜といっても早春から暖春まで、ゆるやかな季節のグラデーションがある。
本展では、長谷川等伯が襖絵に描いた桜と、現実の桜とのコラボレーションから微細な季節の変化を体感していただくことを目的としています。
また、KYOTO GRAPHIE京都国際写真展のサテライトイベント【KG+】に出展する作家など3名の現代作家の展覧会も同時開催しております。
過去と現代の作家の美の共演をお楽しみください。

side DAY

長谷川等伯の襖絵と狩野一派の掛け軸。どちらもオリジナルで当時の作家の筆遣いまで鑑賞できます。書家に人気の高い本阿弥光悦が筆をとった「立正安国論」、繊細な描写と、環境を利用した仕掛けも妙な幸野豊一の「四季の襖絵」、桂離宮の作庭にも関わった玉円坊日首作の「十六羅漢の石庭」などが鑑賞できます。
また、KG+に出展している作家2名と現代アートの作品1名の現代の美と古の美との共演が見どころです。

side NIGHT(only Fri&Sat)

この展覧会は昼に、視覚的な美を堪能してもらい、夜にその美の違った側面を堪能してもらいます。
「十六羅漢の石庭」は見方がいくつかあり、石を羅漢に見立てるのが本筋です。もうひとつの見方が「宇宙と菩薩」です。白砂を宇宙に見立て、石を宇宙の暗闇から人々を苦から救いにくる菩薩という見方があります。夜にはこの見方を可視化します。静かな空間で落ち着いて鑑賞できます。19:30以降は撮影をしてもらいやすくするため、照明を全て落とします。
また井津由美子氏の作品はフォトグラムという技法を用い、暗室の中で様々な光源を使い分け、印画紙に像を作っておられるのですが、その制作過程を追体験するようなスタイルで鑑賞いただきます。鑑賞者は小さな光源を持って暗室の中でフォトグラムを制作するように、井津由美子氏がどのような光をどこからあてて作品を作ったのか、を考えながら鑑賞してください。この展示は昼と夜、2回来場いただきますと、作品をより深く理解していただけます。
※夜は長谷川等伯など、過去の偉人たちの作品の鑑賞はできません。昼の部にご来場ください。

Photo / 古谷宗信
Photo / 中川直幸
event date3月26日(土) – 4月30日(土)の木曜〜日曜のみ
10:00 – 16:00(最終受付)
17:00 – 20:00(最終受付)
※夜間拝観は金曜・土曜のみ
夜は石庭のライトダウン展示と作品の制作過程を追体験する展示
800円1枚で昼と夜両方拝観していただけます(小学生以下無料)
days closed月〜水曜日休
contact050-6870-8794

ARTIST

井津 由美子 KG+
www.yumikoizu.com
写真家
1968年大阪府生まれ。1998年、カリフォルニア州のブルックス大学写真学科を卒業。2007年にニューヨーク州のセンター・フォー・フォトグラフィー奨学金受賞。2008年より大型カメラで撮影したプラチナ・パラディウムプリント技法による作品を日本やアメリカで発表。2020年にLibro Arteよりカラー最新作の写真集『Saul Leiter: In Stillness』を刊行。

Born in 1968, Osaka, Japan. Yumiko Izu obtained her B.A. from the Brooks Institute of Photography in California in1998. Izu is a recipient of the 2007 Photographers’ Fellowship from the Center for Photography at Woodstock. She has held numerous exhibitions of work produced by using large-format camera and the platinum/palladium printing process in the United States and Japan. Her latest color work “Saul Leiter: In Stillness” was published by Libro Arte in 2020.

WORK

Utsuroi/うつろい

『Utsuroi/うつろい』は2020年の春から秋にかけて制作されたシリーズである。その頃のアメリカはコロナ禍の非常事態宣言下にあり、作家はニューヨーク州北部 の自宅から一歩も出ない生活を続けていた。早朝に敷地の湖で睡蓮の花や湖畔の草葉を採り、それをそのまま暗室に持ち帰り、カメラを使用しないフォトグラムという手法で撮影している。約35x50cmの大判フィルムの上に直接被写体をおいて、数種類の光を駆使しながら像を浮かび上がらせている。うつろいとはある状態から別の状態へと徐々に変化することを意味し、それは確かなものは何もなく、すべてが一時的なものであることを示唆している。

Under the state of emergency of COVID-19 in 2020, she lived in upstate New York without leaving her home. In the early morning, she collected water lily flowers from the lake, took them back to the darkroom, and created images using a technique called photogram. It is a method of placing the subject directly on a large format film. Utsuroi means a gradual and inevitable change from one state to another, suggesting that nothing is reliable and that everything is ephemeral.

澄 毅 KG+
http://www.takeshisumi.com/
写真家
1981年京都府生まれ。明治大学文学部、多摩美術大学情報デザイン学科卒。写真をベースに光の空白を意識した作品や、指先の感覚を重視した作品を発表している。2013-2020年までパリ。現在は京都を拠点に活動している。Libro Arteより2012年『空に泳ぐ』、2019年『指と星』を刊行。ジェイアール京都伊勢丹の20周年リニューアルグランドオープン用ビジュアルや李琴峰「ポラリスが降り注ぐ夜」、島本理生「匿名者のためのスピカ」(文庫版)の表紙に作品提供。agnès b.コレクション。

WORK

時間を繋ぐ光|The Light that Connects Time

私はプリントされた写真にスリット(切れ込み)を入れることで作品を制作している。 出来た写真プリントを太陽にかざすと、スリットのラインに光が宿る。スリットは何百何千とあり、何百何千の光の線が写真に写った被写体を包んでいく。 写真は「かつて、そこに在った」ものを記録するメディアだ。写ったものはフィックスされ、動くことはない。しかし、光のラインが写真に現れる時、それは崩れていく。止まった写真の存在に時間が接続されたように感じる。刻一刻と変わる光の強さと色が写真に生を感じさせる。 今回の展示では、庭園に面した場所に作品を設置する。それは私の作品と庭園に奇妙なリンクを感じるからだ。庭園の空間は数百年前に造られた姿をそのままフィックスされている。しかしそれは不断の手入れを行うことで得られている。一方で私の作品は写真という、本来は時間をフィックスしたはずのものが、光を通して時間を得ている。庭と写真。一方は手を加えることで時間を止め、一方は手を加えることで時間を獲得している。今回の展示では、二つの存在が響き合うことで生まれる空間と時間の不思議なコラボレーションを実現したい。

I create works by making slits in printed photographs. When I hold the resulting photographic print up to the sun, the lines from the slits are illuminated. With hundreds and thousands of slits, the hundreds and thousands of lines of light envelop the subject in the photograph. Photography is a medium that records something that “once was there,” and what is photographed is fixed and does not move. However, when a line of light appears in the photograph, it collapses as if time is connected to the presence of the still photograph. The ever-changing intensity and color of the light make the photograph feel alive. In this exhibition, my artwork will be set in a place facing the garden, as I feel a strange link between my works and the garden, whose space has been fixed as it was hundreds of years ago but preserved through constant maintenance. My artwork, on the other hand, is a photograph, which is supposed to be fixed in time but has gained time through light. A garden and a photograph – one stops time with added effort while the other acquires time with such. In this exhibition, I would like to realize the mysterious collaboration of space and time that is created when two entities resonate with each other.

堀内 恵
https://www.meg01ch1.com
主にダンサー、多分ダンサー
最近はロームシアター京都によるレパートリーの創造、ジゼル・ヴィエンヌ、エティエンヌ・ビドー= レイ「ショールームダミーズ #4」でダンサーとして出演。2021年にはパリ公演にも出演した。2022年6月、京都のブラックキューブギャラリーを引き継ぎ「The side」という名前でギャラリー運営をする。

WORK

there is the hole

This is a handmade hole! It can be decorated at your home!Let’s dig your own hole! Enjoy yourself! If you want to get this hole, please scan this QR code and access the website!

design and production: MH hole
representative: Megumi Horiuchi
Instagram : @meg01ch1
https://www.meg01ch1.com/there-is-the-hole

design and production: MH hole
representative: Megumi Horiuchi

2021年に東京で行った公演と展示作品に繋がる作品である。 ダンサーである堀内恵が身体表現を基軸とするインスタレーション、写真、映像を使い展示する。 同時期に2022年3月末に看板をおろすLumen galleryの空き店舗を活用し「there is the hole」の関連展示を行う。

ARTIST TALK

PUBLIC RERATIONS

HANDOUT

ACCESS

exhibition等伯の桜と春の濃淡まるごと美術館 KG+ 合同企画 妙蓮寺特別拝観 2022春
organizer大本山 妙蓮寺
まるごと美術館実行委員会
curator中澤 有基(写真家 / gallery Main CEO)
cordinate中川 直幸(KOTOKURAS / まるごと美術館 / NPO ANEWALGallery)
manageRoom488
ムクヨミドリ
Tradi inc.
山科旅感
KOTOKURAS
NPO ANEWALGallery
photo courtesy古谷 宗信
design中川 直幸(KOTOKUTRAS)
ARTIST TALK LIVE STREAMING中川 直幸(KOTOKUTRAS)

関連内容

TOP