まるごと美術館 2023年秋 妙蓮寺会場 特別拝観 「心象の解像度」

STATEMENT

妙蓮寺の石庭は、石をお釈迦様と16人の羅漢に見立てています。石を羅漢として想像すること、心の中でイメージを作り出すことで「十六羅漢石庭」が完成します。
見立てと似たようなに、心象というものがあります。心象風景というと、心の中でイメージする風景です。これは記憶が視覚感覚を作り出しているともいえます。
見立てや心象、という想像することでそこには無い何かを生み出すことは、創造であり、創造の原点ではないでしょうか。
本展では、創作物から、その作品の源となる想像、イメージを喚起させる作品を集めました。箔を使い抽象化された自然風景を描いた作品、夢の世界のシンボルを具現化した作品、世界の建築を抽象化したプロダクト、日記を書くように日本の各地の建築を高い解像度で再現した作品。
解像度の異なるそれらの作品は、直接の観察では捉えられない特徴を備えています。それらは創造の手触りとして皆様の感性を刺激するはずです。

OUTLINE

event date2023年11月18日(土) – 12月3日(日)
10:00 – 16:00(最終受付15:45)
800円(小学生以下・障害者手帳無料)
days closed水曜日休
contact050-6870-8794

ARTIST

西山 大介
https://jisakuworks.com/
箔食人
昭和30年創業、西山治作商店の現代表兼職人。西陣織の中でも高級な帯地に使用される引箔の制作を行う。幼い頃、兄弟と一緒
に遊ぶように職場に出入りし、箔の世界に触れる。大学を卒業してからは、3年ほどテキスタイルの会社に勤務し、25歳で本格的に引箔の修行を開始。現在は和装だけではなく、伝統の技術を応用し、レザーへのデザイン、一輪挿しや財布など小物のパターン提案も行っている。フランスで年2 回開催されるプルミエール・ヴィジョン・パリにパートナー企業のKYOTOLeatherのプロジェクトとして2016年以降出展しつづけている。

引箔天目

天目釉と呼ばれる鉄釉をかけて焼かれた陶器製の茶碗の模様を、引箔の技術でアートボードで再現する。

WORK

本田 凌也

京都大学工学部建築学科 / スペキュラティブ・デザイン
世の中に溢れている建築の魅力をもっと多くの人に知ってもらうために、建築の魅力の一部を抽出して、玩具や雑貨、文具などの身近な手のひらサイズのプロダクトを作成しました。ぜひ実際に手に取って、触ったり、使ったり、遊んだりしてみてください。そして、これはなんの建築だろうと、少しでも興味を持って頂けたら嬉しいです。

手のひらの建築

「水戸芸術館のシンボルタワー( 設計/ 磯崎新アトリエ、三上建築事務所)」に包むという機能を付加したペンケース。無限に発展していく水戸を象徴する建築の構造を、手にとって、肌で感じることができる。東日本大震災の被災地・石巻に建つ復興のシンボル「マルホンまきあーとテラス( 設計/ 藤本壮介設計事務所)」を定規に。使用しない時は建築を想起させ、使用する時は、建築は機能の背景に消えていく。ずれによって生まれるギャップ空間によって、光が入ってきたり、視線が通ったり、テラスに繋がったり、外部環境と建築との関係を見つめ直す構造の「ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート( 設計/SANAA&Gensler)」は、そのずれを生かしてだるまおとしに。どれも実際に触ったり、使用することで、建築の魅力を視覚と触覚で実感できる。

WORK

周 逸喬

京都市立芸術大学 / 彫刻・漆芸
近年では「蘭花指」という記号を繰り返して漆、アクリル絵の具、色んな素材で作品を制作した。このジェスチャーは、当初性別によって定義されていなかったが、長い文化の変遷の中に、仏陀の印相から女性性の象徴となった。私はこのジェスチャーに身体の制約から性別の束縛を切り離すことを感じて、「蘭花指」というシンボルを通じて、特に特定の文化的背景に深く根付いた性別の矛盾を伝えようと努力する。文化的な色合いを持つフィギュアを繰り返し表現することによって、自分自身のアイデンティティをよりよく見つめ直すことができる。自己認識は、単なる妄想に駆り立てられた熱情ではなく、自己のアイデンティティに対する深い探求を経て獲得したいと考えている。

蘭花指(らんかんし)

「蘭花指」(らんかし)というジェスチャーの古代から現代にわたる意味の変遷をテーマに、漆を用いて作品を制作。

WORK

根城 颯介

京都大学工学部建築学科/ 建築模型・アーカイブプロジェクト
建築の見え方や、内部の空間性を伝えるために図面や写真などのメディアが用いられますが、建築という三次元の立体を三次元のまま伝達するのが建築模型というメディアです。作者が実際に訪れて印象に残っている日本建築を構造的美しさや特徴を引き立たせるように、同じ材料を使用して抽象化を行うことで、その建築の持つ雰囲気を建築模型でしか再現できないやり方でアーカイブを行うことを目指しています。

投入堂模型

投入堂は鳥取県東伯郡三朝町に三佛寺の奥院として建造された仏堂である。平安時代の密教建築の数少ない現存遺例で、「日本一危険な国宝」とも呼ばれるように、三徳山北側中腹の断崖絶壁の窪みの中に投入れられたような場所に位置するのが特徴的な建物である。小さいお堂ながらも屋根の軽快な反り、堂を支える懸造の柱の構成などその美しさに魅了され、模型化に至った。

会津さざえ堂模型

福島、会津若松、飯盛山に佇むは円通三匝堂。通称、会津さざえ堂。かつて内部には西国三十三観音像が安置され、お堂を上り下り参ることで仏教の礼法に従い三十三観音参りを体験する空間が構築されていた。この空間的体験を合理的に可能にしたのは内部スロープの二重らせん構造である。模型においては一部の壁を取り払い、この特異な構造を可視化するように作成した。ほぼすべてをバルサ材で制作することで、純粋な形態だけが浮かび上がってくる。

WORK

ACCESS

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妙蓮寺特別拝観 2023秋 まるごと美術館
organizer大本山 妙蓮寺
まるごと美術館実行委員会
curator中川  直幸(KOTOKURAS Inc. / まるごと美術館実行委員会 / 寺町京極|商店街美術館コーディネーター)
cordinate中川 直幸(KOTOKURAS Inc. / まるごと美術館実行委員会 / 寺町京極|商店街美術館コーディネーター)
manageRoom488
ムクヨミドリ
Tradi inc.
山科旅感
KOTOKURAS Inc.
design中川 直幸(KOTOKUTRAS Inc.)

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