感覚の焦点 展 まるごと美術館2020秋 妙蓮寺特別拝観

THEME

photo / 奥野 慧

暗闇の中で美を愛でる展覧会。
地域活性化を目的とした展覧会「まるごと美術館」。今年の妙蓮寺会場は、視覚以外の感覚の可能性を探る目的で、視覚が制限される夜間のみの開催となります。安全を確保する最低限の明かりは使いますが、暗闇での展示を行います。
暗がりの中、感度の上がった視覚、嗅覚、聴覚は、普段の生活で使用する明るさの中では知覚できない幅まで感覚を広げます。それは、ぼやけていた視覚以外の感覚も世界に焦点を合わせたかのようです。
今までは視覚情報に頼り切って感じていた場所・地域を視覚以外の感覚で感じることで、これまでとは異なった魅力や課題に気づくきっかけになるかもしれません。
※館内に案内板はなく、香りを辿って作品を鑑賞いただきます。
香りを辿り作品を鑑賞する「暗夜香路」。
いくつかある石庭の見方を平安時代の貴族の遊びで知る「香合わせ」をお楽しみください。

event date11月14日(土) – 12月6日(日)
17:30 – 20:30(最終受付 : 20:00)
days closed水曜日休

ARTIST

中川 剛志
https://www.takashinakagawa.com/
写真 / インスタレーション
京都市在住のアーティスト。これまでに世界を20周以上回り、約50カ国を繰り返し訪れ撮影を行う。作品は米国ナショナルジオグラフィックを始め海外のメディアから発表され、またナショナルジオグラフィックトラベルフォトグラファーオブザイヤーやその他海外コンテストを受賞。近年は故郷の京都と、特別な繋がりを感じているアイスランドで写真やインスタレーションアートなどの活動を幅広く行なっている。

光の墓

オーロラはあの世とこの世を繋ぐ光であると、北極圏では言い伝えられている。 22歳の時に父を亡くした私は、父の魂を探すため、そしてその死後から頭と心の中をぐるぐる回り続けている「なぜ私たちは生まれ、なぜ死ぬのか」という問いを抱えて、アイスランドの旅を始めた。
長年に渡る旅は常に過酷な天候に見舞われた。壊滅的な吹雪 によって地元住民はもとより観光客もその命を奪われ、日照不足から人々は精神的なダメージを受けていた。この状況が私の行く手を阻み、予定を中断せざるを得ない日もあり、また命の危険を感じることもあった。しかしこのような極限の環境下に身を置いたことで、父の魂を探す旅から始まったものが、いつの間にか自分自身の内なる探求へと変わっていった。
アイスランドでは引き寄せられるかのように墓を数多く訪れた。そこには魅力される何かがあり、安らぐ大地があった。 ここには私の年齢と同じ枚数のオーロラの写真が墓のように置かれている。私はオーロラの光は死者の魂でもあると解釈し、極寒の夜空の下、光のポートレートを一枚一枚丁寧に撮影した。毎年一枚ずつ増えるこの作品は、私が死んでオーロラの光となるときに完成する。

photo / TORU TAKAGAKI

TORU TAKAGAKI
http://tacinc.jp/
電子工学エンジニア / メディアアート機能性の高い制御用マイクロコンピューターを使ったシステムを、工業・農業・医療など幅広い分野に提供するエンジニア。
作品は「デジタル技術をアナログに楽しむ」をモットーに制作され、ユーモア溢れる表現で展示される。
展覧会では、理化学研究所の榎戸輝揚氏と共同開発を行った「宇宙線モニタ」の技術を使い、お寺らしさを感じる作品を発表。
協力 / 理化学研究所 榎戸極限自然現象理研白眉研究チーム

宇宙線モニタ

視界には入っているが視覚では感知できない「宇宙線」。宇宙線とは、宇宙空間を飛び交う放射線で、地球にも高速で到来している。大気圏に突入してきた宇宙線は、大気中の窒素や酸素などの原子核とぶつかって核反応を起こし、大量の粒子を生み出して、見えないシャワーのように地上に降り注ぐ。
今回の展示は、宇宙線を観測するための装置を応用した作品である。放射線と聞くと、怖いかもしれないが、自然現象であり、人体への影響はない。

ソーシャルディスタンスの春

今年の春は、ソーシャルディスタンスを声高に叫び、なにも春を感じることができぬまま、終わってしまった。もし、今年の春を再現するなら、こんな感じかもしれない。

宇宙線は線香花火のように

photo / Toru Takagaki

地上に降り注ぐ宇宙線の観測は、まるで線香花火のような反応を示す。妙蓮寺奥書院の夏の間とコラボして、宇宙線の観測を線香花火のように演出する。

境内へようこそ

境内の内と外をわける山門に、人体をセンシングしてウェルカムサウンドを奏でる装置を設置。

“Qun”Rコードプロジェクト
読み込むと胸がときめくQRコードプロジェクト。人でも場所でも、何かしら運命を感じる時は、ときめきがあるもの。そんなときめきを生み出すだめのQRコードを妙蓮寺会場内にいくつか設置しています。
協力 / Mac/ あずみ 果穂 / しゅぺ Syupe / 人生モラトリアムな田久保健太 / ともちゃん 高田朋恵

EVENT

11.21(SAT).11.22(SUN) 10:00 – 19:00コロナをぶっ倒せ!ジェダイ™️トレーニング
迫りくるコロナウイルスからライトセーバー™️で身を守ろう。世界でも人気のトレーニングは、子どもだけじゃなく大人も大興奮。企画/TORU TAKAGAKI

12.5(SAT) – 12.6(SUN) 十六羅漢石庭 虚空会説法砂紋
お釈迦様が悟られた12月8日(成道会)を前に、2日間だけの特別な枯山水の庭がお目見え。お釈迦様と羅漢の関係を表す特別な砂紋をご覧ください。
※法事が入りできない場合がございます。ご了承ください。

PUBLIC RERATIONS

センサーを伸ばして焦点を合わせるイメージ

HANDOUT

会場の紹介と作家・作品の紹介を分けたハンドアウト

VIDEO

exhibition感覚の焦点 展まるごと美術館2020秋 妙蓮寺特別拝観
organizer大本山 妙蓮寺
まるごと美術館実行委員会
curator中川 直幸(NPO ANEWALGAllery)
manageRoom488
ムクヨミドリ
Tradi inc.
山科旅感
NPO ANEWALGallery
support理科学研究所 榎戸 極限自然現象理研白眉研究チーム
design中川 直幸(NPO ANEWALGAllery)
guide東 泰範(山科旅感)
photo奥野 慧(ムクヨミドリ)
TORU TAKAGAKI

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